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「農」作業は「脳」にも良い!?
健康医療科学部 作業療法学科 春山 佳代 講師 WEB
作業療法の世界は広く奥深くて、分かりにくいと言われます。私は大学生の時の実習地の先生から、「やることは決まっていても方法は決まっていない」と教えられました。型にはまらない(はまれない?)自由な作業療法の世界は、私にとって天職です。
さて、作業にも色々ありますが、今回は農作業を取り上げます。
まずは、山梨大学の研究から。山梨県で65歳以上の要介護を受けていない高齢者600人を、約13年間追跡調査しました。この期間に亡くなった225人のうち、農業従事者が介護を受けた期間は平均1.3年、農業をしていなかった人は平均2.2年で、年齢や家族の有無を考慮しても明らかに差がある、という結果でした(Haruyama,2020)。
厚生労働省によれば、要介護の原因は脳血管疾患、骨折や認知症などです。農業は重労働ではありますが、市民農園のような、趣味で行える範囲でも健康に良い効果があったという報告があります(van den Berg, 2010)。さらに、脳の神経細胞の成長を促進するBDNF、PDGFという因子が増加していたという研究結果もあり、認知機能への効果が期待されています(Park,2019)。
おうち時間が増えた今、庭やベランダのプランターで野菜やハーブを育ててみませんか?少なくとも、新鮮な野菜が食べられるという効果は間違いありません。
2021.02.09