心理学部

心理学部卒業後の就職先は?進路選択のポイントを徹底解説!

心理学部への進学を検討する一方で、「心理学部を卒業した後の就職先・進路はどんなものがあるの?」と気になっている高校生も多いのではないでしょうか。

心理学の知識が活きるフィールドはたくさんありますが、その進路選択は大きく分けて「一般企業で働く道」と「カウンセラーになる道」の2つに分かれます。この記事では、それぞれの進路の具体的な内容に加えて、どんな業界や職種が考えられるのかについて詳しく解説します。

心理学を活かして【一般企業】に就職する

心理学部への進学を検討している高校生に、「心理学部を卒業後、どんな進路があると思いますか?」という質問をすると、多くの高校生が“カウンセラー”と答えます。もちろんカウンセラーをめざす道もありますが、実際のところは、ほとんどの学生が“一般企業”に就職します。

心理学を専攻した学生は、人間の行動や感情について深く学習するため、人とのコミュニケーションが求められる仕事に向いています。コミュニケーションに関する知見が求められる仕事はカウンセラー以外にも多く存在し、心理学を学ぶことで活躍フィールドが広がりをみせるのです。

心理学の知識が活かせる職種の例を、以下に紹介します。

営業職

心理学を学んだことで得られる「人の心を理解する力」は、営業職にとって大きな強みとなります。顧客とのコミュニケーションを通じてニーズを引き出し、適切な提案を行うスキルは、営業職として大変重宝されるものです。

マーケティング(マーケター、リサーチャーなど)

心理学の知識は、消費者の行動を分析するマーケティング領域でも活かされます。消費者の購買心理や行動パターンを分析し、それをもとに商品やサービスの戦略を立てる仕事において力を発揮できるでしょう。心理的なアプローチを駆使することで、データだけでは見えない顧客の本質的なニーズを探れることが強みになります。

企画・開発(商品開発、サービス企画など)

心理学を活かし、商品やサービスをつくる仕事に携わることも可能です。たとえば、消費者のライフスタイルや心理的な満足感を考慮した新商品の企画や、ユーザー体験を向上させるためのサービス改善などは、心理学の知識が大いに役立つ分野です。

クリエイター(ライター、デザイナー、ゲームクリエイターなど)

たとえば、商品やサービスなどを世に広めるコピーライター、人々の感情に訴えるデザインを設計するデザイナー、キャラクターやストーリーから手がけるゲームクリエイターなど、心に響くコンテンツを制作するクリエイティブな仕事にも、心理学の知見が活かせます。

バックオフィス(宣伝・広報、人事、採用など)

コミュニケーションにおける学びを活かして宣伝・広報に携わる道や、人材の採用や育成、組織内のコミュニケーションを円滑にする人事部門で活躍する道もあります。従業員のメンタルケアに注目が集まる昨今においては、組織の心理的なサポートを行うメンタルヘルス推進担当として期待されるケースも増えてきており、職場の環境改善にも重宝されるでしょう。

公務員

企業への就職とは異なりますが、相手の立場に立って考えたり、会話をしたりする心理学の知見は、「公務員」にも大いに役立ちます。たとえば、心理学の専門知識が求められる「法務技官」や「家庭裁判所調査官」は、その代表例。さまざまな立場や年齢層の人々と関わる市役所の職員や警察官なども、選択肢として挙げられます。

心理学を活かして【カウンセラー】として就職する

心理学部を卒業後、カウンセラーとしてのキャリアを選ぶことも可能です。カウンセラーとして活躍するには、公認心理師や臨床心理士といった資格取得が必要になるケースが一般的です。

では、カウンセラーとしての具体的な進路はどんなものがあるでしょうか。以下で代表的な活躍フィールドをご紹介します。

医療分野(病院、クリニック、保健所など)

医療機関では、医師と連携しながら心のケアを必要とする患者さんへのカウンセリングやメンタルヘルスサポートを行います。また、保健所や地域の相談センターで、地域住民のメンタルヘルスに寄り添う仕事もあります。

教育分野(小学校、中学校、高校、大学など)

いわゆるスクールカウンセラーとして、子どもたちの心のケアをサポートする仕事です。児童・生徒の悩みをふまえた適切なサポートや、保護者・教員と連携した支援を行います。子どもたちの成長を見守りながら、彼らの心の健康を支える役割を担います。

福祉分野(児童相談所、女性相談センターなど)

福祉分野では、さまざまな社会的背景を抱える人々の相談に乗り、適切な支援を提供する職務にあたります。たとえば児童相談所では、虐待を受けた子どもやその家庭への支援を行い、社会復帰へのサポートが求められます。また女性相談センターでは、家庭内暴力や生活困窮などの問題に直面している女性へのカウンセリングを行います。

行政分野(市区町村が運営する教育相談室など)

行政機関で、地域住民の心のケアに携わる仕事もあります。地域の教育相談室や市町村のメンタルヘルス窓口で住民の相談を受け、必要に応じて他の専門機関への紹介やサポートを行います。

産業分野(一般企業など)

産業カウンセラーとして、企業内で従業員のメンタルヘルスをサポートする仕事です。職場環境の改善やストレス管理の研修、個別のカウンセリングを通じて、従業員が心身ともに健康で働けるよう支援します。企業の人事部門や健康管理室への配属が一般的です。

司法分野(家庭裁判所、少年鑑別所、刑務所など)

家庭裁判所や少年鑑別所、刑務所などで、心に傷を負った人々の支援を行う仕事です。たとえば少年鑑別所では、非行を犯した少年たちの更生支援を行い、彼らが社会復帰できるようサポートします。また刑務所では、受刑者の更生プログラムを担当することもあります。

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一言にカウンセラーといっても、その活躍フィールドは多岐にわたります。そして、「公認心理師」や「臨床心理士」をはじめ、複数の資格が存在することも特徴です。

心理学における資格については、以下の記事で詳しく解説しています。資格の取り方についても紹介していますので、あわせてご確認ください。

心理学部について詳しく知りたい方はこちら

いかがでしたか。心理学部の卒業後に考えられる就職先について、なんとなく理解いただけたのではないでしょうか。

心理学部での学びを通じて、就職先やキャリアの選択肢が広がります。心理学を学ぶことで得られる「人の心を理解する力」や「コミュニケーションスキル」は、どの職種においても大きな強みとなるでしょう。

心理学部に少しでも興味を持たれた方は、まず心理学を学べる学部(心理学部や人間科学部など)を有する4年制大学の資料請求をおすすめします。どの大学も各ホームページから無料で資料を請求できますので、気軽に情報収集を始めてみましょう。

ちなみに、この記事を書いた医療創生大学にも心理学部があります。大学院も併設しており、公認心理師と臨床心理士の両方の資格取得に対応したカリキュラム体系になっていることが特徴です。資料請求は、以下よりお気軽にどうぞ。